理系学生の悩みにはパターンがある
私は今は戦略コンサルタントとしていわゆる「非理系」キャリアをつっぱしってます。
けれどその前は、いちおう理系的な就職もしたし、いちおうばりばりの理系学生として博士号を取得したし、大学院を卒業するときにはいちおう最高学府からの表彰(東大総長賞なるもの)も受けました。
だから、博士号をとりたい学生さんから研究やラボ生活の相談を受けることもあれば、理系就職をしたい学生さんから就職の相談をされることもあるし、いわゆるコンサルタントみたいなちょっと普通の理系とは違ったキャリアを歩みたい理系学生さんからの相談も受けています。
どのカテゴリの相談であっても、私に相談してくる理系学生さんはだいたい下の3パターンのどれかには当てはまるように思います。
1:ずっと研究者になりたいと思って大学院に入ったのに、大学院・研究室が絶望的にツマラナイ(そして時にめちゃくちゃ理不尽な)場所だと気付いてしまった
2:いくら必死に実験がんばっても全く研究成果がでない
3:一所懸命に研究やってきたのに就職がうまくいかない
せっかく溢れんばかりの希望と才能をもって、日本の未来を支えるべく大学院に進学した学生さんが、ボロボロになって自信を失って朽ち果てていくのをたくさん見てきました。
日本の劣悪な大学院の環境と進学システムが原因なのは明らかなのだから、「じゃあ日本中の劣悪研究室とそれにまつわる生態系をぶっ潰す!!」ことができたら良いのだけれど、現実的にそうもいかない。
だから、私は大学院というジャングルに入ってしまったみなさんに、武器や護身術を与えたいです。生き残ったひとりの「サバイバー」としての、助言です。
めざすこととしては下の3つを通して、輝くべき理系の才能がちゃんと輝く社会を作ること。
1:いわゆる天才を除く、ごく普通の人間が理系大学院進学を選んでしまったときにふりかかるあらゆる災難を乗り越えられるよう支援したい
2:理系研究室の劣悪かつ理不尽な環境でも、理系学生さんが充実した生活と明るい未来を送れるよう支援したい
3:そもそも理系研究室の環境をもっと若い人達に知ってもらうことによって、間違って理系大学院に進学してしまう人を減らしたい
ここに書くことは、ちょっとした「理系大学院でうまくサバイブするためのコツ」であり、決して大それたテクニックや体系的な知識ではないです。このブログの中身をしょーもないなって思う学生さんたちはそれで結構。どうぞそのまま理系街道をつっぱしってください!!
けれど、いわゆる「凡人学生」として大学院というジャングルに入りボロボロになりつつそれでも生き残ったひとりの「サバイバー」としての経験をシェアすることが少しでも悩める学生さんたちのお役に立てるのなら、私のボロボロ体験もちょっとは浮かばれるのかも。